3/14発売の本の内容を限定公開【その10】~2次会幹事での感動体験☆後で消します

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2次会幹事での感動体験

そのころ、27歳ぐらいでしょうか。友達の結婚式が多かったんですね。お年頃でしたからね。大学時代からの親友のモリジに「よっさんの結婚式の2次会の幹事一緒にやらへん?」と誘われました。

急に関係ない話が始まったように思われたかもしれませんが、ちゃんと関係があるので、ちょっとお付き合いくださいね。

面白そうだな―と思って、まぁ時間は死ぬほどありますし、手伝うことにしました。モリジも個性的で面白いヤツで、僕もどっちかと言うと人と同じことはやりたくないタイプなんで、ビンゴゲームだけは絶対やらないんです。新郎新婦にヒアリングして、どんな会にしたいか、それと二人でブレストをして、面白いアイデアを出したりしてパーティーを作りました。ふたを開けたら本番、全然時間が足りないんですけどね(笑)

その中で、すごく盛り上がる鉄板のサプライズがあるんです。モリジは何度か友達の2次会を仕切ったことがあって、とっておきのやつなんですね。それは何かというと、新郎新婦のご両親のビデオレターを撮って本番で流す、というものです。

これ、絶対盛り上がるんですよ。凄いですよ。会場が揺れます。その新郎よっさんの実家は大阪だったんですが、新婦のアリサちゃんの実家は、愛媛県の愛南町という、四国の左下の盲腸みたいなところでした。

大阪から車で6時間かかりました。早朝に出て、帰ったのは夜中でした。でも、それだけの価値はありました。ご実家には、アリサちゃんが小さかった頃の絵日記や、新聞に投書されて掲載された相談文が出てきたんです。

小学校2年生の頃に書いた絵日記の内容はこんなんでした。

「最近お兄ちゃんがイジメてくれない。前は毎日私のことをイジメてくれていたのに、友達とばかり遊んで、家で私のことをイジメてくれる時間が減りました。あー、もっとお兄ちゃんにイジメて欲しいな」

小学校4年生の頃に新聞に載った内容はこんなんでした。

「悩み事があって誰にも相談できないので、お葉書することにしました。私の胸は全然大きくなりません。お母さんやお母さんのお友達は胸が膨らんでいるのですが、私の胸はぺったんこなんです。私はおかしいのかな?ちゃんとふくらんでくるのかな?大きなお胸になりたいです」

そして、お父さん、お母さんから出てくるこぼれ話の数々、新婦は「やめてーーー」と赤面しっぱなしですが、会場はどっかんどっかんウケます。

この1回目の2次会幹事に味をしめて、このあと計5回、2次会の幹事を引き受けることになりました。1回やると、どんどん依頼が来るんです。みんな、やったことがある人に頼みたくなるからでしょうね。

毎回グレードアップしていき、5回目の親友さかぽんの結婚式の2次会は集大成でした。今までやってきて、当たりだったこと、二人のらしさも盛り込んだ、最高の会にすることができました。今でもさかぽんは年に一度あのパーティーのビデオを見るそうです。

まず登場、ツカミですね。ここでウケると後が本当にやりやすくなるので、大事なところです。暗転して緊張感を作ります。そして会場にあるスクリーンを使って、新郎新婦のシルエットだけバンと映して、音楽が始まります。お客さんは期待でワクワクです。そして曲は、湘南乃風の純恋歌です。イントロが流れます。チャラララーラララーラーララーララー、そして歌いだし「めをとじーれば」で大爆笑が起こります。それはなぜかと言うと、、、

歌っているのが新郎の声だからです。これが絶妙に笑える音痴なんです。でも熱唱です。みんなキャラを知っているので、OKなんです。新郎のキャラだからできる演出です。大爆笑の間にスクリーンがパッと上がり、新郎新婦の登場、めっちゃ笑顔で拍手でスタートするわけです。

新郎新婦が高砂に到着するやいなや、流れを壊したくないのでさっさと乾杯に移ります。司会の僕がサクっとやっちゃいます。みんな早く飲みたいに決まってますよね。さっぶい話聞きたくないわけで、乾杯のご発声なんか、めちゃくちゃ面白いトーカーがいない限りいらないんです。あそこで盛り上がったことがない。

で、乾杯して皆さんがホッと座ったら、すぐにまた暗転して、映像が始まります。いきなり新婦の両親のビデオレターです。これいつもは最後にやってたんですが、絶対ウケるんで思い切って最初に持ってきました。

ちなみに、ウケるビデオレターの作り方もちょっとだけ紹介しますね。一番いいのはインタビュー形式です。僕も色々失敗したんですが、カメラに向かって素人が喋るのは難しい。だから、カメラをオンにして横に座って、質問しながら話を聞くわけです。ご両親は僕に向かって喋るので話しやすい。で、面白かったところだけを編集でつなぎます。目安は5分ぐらいですかね。絶対ウケるのでもっと長くても大丈夫です。あと、テロップは絶対全部に入れてください。笑い声で話がかき消されてしまいます。変な編集とかは一切必要ないです。面白い部分だけカットでつないで、テロップは全文入れる。これだけです。何回もやってこの形に落ち着きました。最適解です。

新婦の両親のビデオが終わるとしばしご歓談。飲んで食べて、してもらいます。新郎の両親のビデオは最後に取っておきました。どちらも必ずウケるので、面白い方を最後に取っておくほうをおススメします。ピーク&エンディングって言ってね、ピークとエンディングさえ盛り上がれば、参加者の満足度が上がるんですね。そういう理由です。

一回目のピークを最初か途中で作れればオッケーで、後は最後に盛り上げれば良いということなんですね。ビデオが無くても、最後は新郎からのサプライズ手紙をやれば確実に印象的にはできるんで、最後の盛り上がりは結構作りやすいです。

てな感じで、間でゲーム的なお楽しみを2,3回入れて、最後は手紙、そしてラストは新郎の両親のビデオです。キャラの濃いお母さんで、僕は高校の頃からよく知っていることもあって、良い映像がいっぱい撮れたんですね。お母さんには黙ってたんですが、最初から最後まで、ビデオをずっと流してたんです。だからインタビューだけじゃない映像が作れました。

僕にお茶を出しながら突然「雨!!」と叫んで2階に駆け上がっていくオカン、「気のせいやったわ」と降りてくるオカン、「たかじ、結婚式の会場ってどこなん?」とマジで地図で説明させるオカン、小さい身体を全身使ってバレーボールが楽しいことを説明してくれるオカン、この部分は早送りにしました。情熱大陸のbgmをかけて、オカンの面白発言&行動VTRを作りました。皆さん、腹をよじらせて、体をくねらせて笑ってくださいました。

一応フォローしておきますが、ここまでやる必要はありません。新郎新婦の両親は登場するだけで確実に盛り上がる、スターにしきのみたいなもんです。終始真面目な話でも大丈夫。盛り上がります。笑いだけじゃなくて、感動もありますし、知らなかった驚きなんかも生まれます。必ず笑いにする必要もないです。関西人はどうしても欲しがってしまいますが。

笑いにする場合は、ちゃんと許可も取らないといけないですよ。このオカンは「大阪人は笑ってもろてナンボや」と言ってくれるオカンだから成立してるわけです。黙ってやっちゃいけません。神経質な方もいるので気を付けてください。

これは違うお母さんの話ですが、ビデオレターの中で息子が高校時代に勝手に車を運転して友達とボウリングにいったり、ドライブをしまくっていた話を暴露されたことがありました。その方は後で電話をかけて来られて「あの話、大丈夫ですかね?息子は社会的に抹消されないでしょうか?」って心配されていた方もいらっしゃいました。もしかしたら、2021年だったらダメかもしれませんね。面白いこぼれ話は、時に危険も伴います。

親友の結婚式を、その親友たちとチームを作って2次会を大成功で終えることができました。この時の身体からあふれてくる快感、やったった感、充実感はハンパじゃなかったんです。映像、オモロイやん。めっちゃ感動生めるやん。この経験が後につながります。 2年間の無職生活の中で、一番充実感を感じられた、生きていることを実感できた経験だったと思います。

今日はここまで。続きを読みたい方はブックマークしといてくださいね。

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