商売人サラブレッド
さて、そろそろ仕事がしたいな、と思い始めていました。そのころはそのことを考えてもキューっとなるような感覚はありませんでした。もう復活の心の準備が整っていたんでしょうね。
僕はもともとが独立志向だったので、どこかに就職することは考えていませんでした。最初の激務のベンチャー企業に就職したのも、そういう理由です。若い時から責任を持たせてもらえる、イケイケの若い企業という理由で入社しました。
両親がダスキンのフランチャイズ店をしていて、12歳離れた兄も自分で会社をやっていました。周りがそうなんで、僕にとってはそっちが普通なんですよね。余談ですが、うちの兄は千原せいじと高田純次を足して2で割ったような人です。豪快で、ガサツで、欠点だらけなのに人に好かれる、という不思議な人です。兄の伝説集はそれだけで一冊の本になる爆笑エピソード満載なので、今回は割愛します。
そんなわけで、九九を習う前から電卓を捌き、大量の小銭を集計していました。重ねた大量の小銭を前に
「めっちゃお金があって、えーなー」
と僕が言うと、
「ええかタカジよ、これは全部自分たちのお金になるんと違うんやで。3分の1は人件費やねん。働いてる人のお給料やな。3分の1はモップとかマット代やねん。3分の1は車代とか税金とかや。ほんでこれだけがウチに残るんやで」
と人件費率と原価率と固定費・変動比率を日常的に英才教育されていたので、自分で商売をやろうとは僕にとっては当たり前の発想でした。
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