3/20発売の本の内容を限定公開【その17】「たかじ、朝日新聞に載ったわけ」☆後で消します

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たかじ、朝日新聞に載ったわけ

さぁ、このままではいかんぞと。なんとかして仕事を増やして売上を増やさないと、いっぱしの大人とは言えんぞ、と思っていました。税金を払っていないどころか(売り上げが低いので税金が発生しない)年金も健康保険も親負担、家も食事も親の面倒で、まだまだ、ただの帰省中の寄生虫です。

そんな時に、多分前述の神田昌典さんの本だったか何かで、宣伝を無料でやる方法があると知りました。

それがメディアに載る、つまり、テレビや新聞に取り上げられる、ということだったのです。

「えー、そんなん出来るんかいな?しかも無料で!?」

でも宣伝じゃないですから、逆に宣伝効果が高いと。それは理解できました。確かに、NHKのドキュメンタリーとかで、紹介された技術者の商品とかって、それだけでめちゃくちゃ欲しくなりますもんね。

あの冷凍食品は実はこうやって作ってる!みたいな誕生秘話とかを知って買った、みたいな経験があります。でもボクには、そんな人様に取り上げていただけるような技術なんてないです。

「こんな、なんもないボクがテレビ?ないないないない。だいたい、恥ずかしいし」

そう思っていましたが、結果から言うと、朝日新聞の全国版に5日連続の連載で、でかでかと紹介していただくことになりました。

ちょっと脱線しますが、テレビ、新聞、ラジオはネタを探しています。テレビに出るなんてすごい!とかよく言いますが、結構取り上げていただけるものです。あれ、実は全然すごくないんです。裏事情を知らんだけで。そこを頑張ってる人が少ないだけです。頑張れば紹介してもらえます。

僕は後に「さかぽん先生」(第三章)をやるのですが、あちらでは、新聞4社、テレビ4社、ラジオ出演もと、めちゃくちゃ取り上げてもらえました。やればできるもんですよ。カトパンが出てる頃にめざましテレビでも、朝日新聞の「顔」のコーナーでも、取り上げていただきました。

どうやって紹介してもらうか「それは自分のニュース性を探すことだ」と書いてありました。騙されたと思って、いろいろ紙に書きだしてみました。するとそれは意外とすぐに見つかりました。

僕は客観的に見れば、「元ニートから立ち上がって自営業を始めた」人だったのです。

当時はニートという言葉が流行語になっていた時期で、ニュースや記事でニートという言葉がよく出ていました。ニートブームだったんです。ニートブームて(笑)

なので、今だったらイマイチ弱いワードかもしれませんが、これはいけると思ってリリースを作って送りました。リリースを作って送る、ちょっとカッコつけました。すいません。謝ります。本当のことを言いましょう。

サインペンを取り出してきて、A4の白い紙に、手書きでこう書き殴りました

「2年間ニートをしていた28歳男性が、もう一度立ち上がって、自営業を始めました。取材してください」

わざと、汚い字で荒々しく書きました。

そして、新聞社に電話をかけて、ファックス番号を聞きました。ネットで調べても載ってなかったんですよね。「取り上げて欲しいんですが、どこにファックスしたらいいですか?」って。各社、とても親切に教えてくださいますよ。あちらはネタを探しているんです。それが仕事なんです。最初は勇気がいりましたが、よくよく考えれば迷惑なんてことは一切ないんです。

で、ファックスを送りました。後にちゃんとリリースの作り方を調べて、パソコンで作ったものを各社に送ったりもしましたが、1か月後に電話が鳴りました。

「朝日新聞の記者のカイと申しますが、ファックスをありがとうございました。連絡が遅くなってすみませんでした。一度お会いしてお話をお聞きすることはできますか?」

最初に送った、手書きの書きなぐりファックスを、これは!と思って取っておいて下さったんです。(ついでに言うと、あとで違う新聞社の記者の方からも取材申し込みがありました。一通のファックスで2件の大手新聞社が連絡をくれたのです)

電話の段階で、2,3質問があって、「あなたのことを記事にしたいと思っています。どうか全てを赤裸々に、正直に教えていただけますか?」ということでした。

テレビは恥ずかしいからやりませんでしたが、新聞ならと、恥をさらすことを覚悟して取材を受けました。この取材が凄かった。うん、凄かった。

電話でのやりとり、実際にお会いしてのやりとり、僕がポスティングをしているところにも同行され、日本語ボランティアの会場にも同席され、ニート対象の支援事業のイベントにも連れていかれ感想を聞かれたり、プロの新聞社の取材のすごさに驚きました。記事を書くのにここまで取材するんだ!と。

何度も取材のために食事をご馳走になりました。取材の時は僕の移動もタクシーで、記者さんもいつもタクシー移動で、「朝日新聞て、金あるなーー」って思いました。

そして、嘘はバレました。僕はカッコ悪いから小さな嘘をついたんです。「年金は自分で払ってて、健康保険は親に払ってもらってる」って言ったんです。何この、微妙の見栄(笑)

で別の時に逆を言ってしまったんです。嘘ですから、どっちを言ったかわからなくなっちゃったんですね。

「たかじさん、前は逆を言ってましたよね」

記者さんは新聞記事に間違いがないように、すごく丁寧にお仕事をされていて、尊敬に値する方でした。これぞプロの仕事!って感じでした。正確な情報を丁寧に丁寧に、その時の僕の気持ちや感情も何度も何度も根掘り葉掘り聞いて、記事を作ってくださっていました。そして、取材がだいたい終わるころに言われました。

「たかじさんへの取材では記事のボリュームがとても大きくなったので、上に言って連載になりました」

オオオー!と震えましたが、5日間の大きな枠での連載だったので、それはそれは凄い反響でした。

もちろん仕事の依頼もバンバンきましたし、励ましのお手紙や、お電話、道で歩いていても話しかけられたり、子育ての相談をされたり、挙句の果てにはお見合い写真まで届きました。その写真は、ハリセンボンのはるなさんの成人式の写真そっくりでした。

他の新聞社の暴露話もあるのですが、それはここではカットしておきます。未公開集に入れておきます(ラストのプレゼント部分を参照してください)

そんなわけで、この記事がきっかけで一気に忙しくなって仕事が軌道に乗り始めました。そのお客様からのご縁で、リピートや紹介が生まれて仕事をいただけるようになっていきました。

今日はここまで。続きを読みたい方はブックマークしておいてくださいね。

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